GALLERY-中野千枝子の仕事

≪ヒンデローペン≫ 

アイセル湖東岸にある漁師の町ヒンデローペンは、静かな運河、家々の朱色の屋根、はね橋、教会などが形作る童話の世界の小さな町。この町で産出する伝統工芸品ヒンデローペン塗りは、木製の家具や小物に色鮮やかな彩色を手で施すもの。17世紀から18世紀にかけて、北欧諸国との木材取引で潤ったこの町で、独自に発達しました。アンティークの製品はヒンデローペンにある「ヒッデ・ナイランド協会」やエンクハイゼンの「ゾイデル海博物館」、レーワルデンの「フリース博物館」などで見られます。鮮やかな色合いの中にもやさしいタッチが心を和ませる絵柄は、オランダ後期ルネッサンス様式とバロック様式に倣ったもの。アカンタス、葡萄の蔓、大理石などのモチーフにその影響が窺えます。また当時の海洋貿易で富み栄えたオランダに諸外国の文化が流入していた影響も見られます。


≪バウエルン マーレライ≫ 

“バウエルンマーレライ(直訳は農民絵画)”はヨーロッパのフォークアートで16世紀から19世紀まで約300年に渡り、ドイツ語圏、ドイツ、スイス、オーストリアで発展した装飾芸術です。特徴は、花の装飾と人物画で、主に家具や家庭用品、家屋の窓等にも描かれていました.1760年から19世紀にかけてバウエルンマーレライは最高潮に達し、ヨーロッパだけではなく欧米にも広がり、現在に至っています.


≪KHOKHCOM-ホフロマ≫

ホフロマ塗りとは赤と黒と金色を基調とした木製食器で、ロシアの代表的な民芸品です。金色のペイントをほどこされた食器は飾ったりする装飾品だと思いがちですが、ロシアでは実際に食卓で使用されています。ひとつひとつが手作りで、工場ラインに乗っているものはありません。ですから、非常に丁寧に時間を懸けて作製し、また、同じものが二つと無いため、一つ一つに個性が光る、大変魅力な民芸品となっています。

 


≪その他の作品≫